KINETIC PHONAUTOGRAPH

2018.02
学部の卒業制作。音波の動きをなぞらえて動く白黒2つのKINETIC PHONAUTOGRAPH(動的フォノトグラフ)

KINETIC PHONAUTOGRAPH
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 音波の動きをなぞらえて動く白黒2つのKINETIC PHONAUTOGRAPH(動的フォノトグラフ)。これらは本質的には低ビットレートの蓄音機であるが、再生することはできない不可逆的な記録媒体である。
 【白のフォノトグラフ】はヘッドホンを付けることで記録された音源を知ることができるが、【黒のフォノトグラフ】は明かさず、さながらフォノトグラフの逸話を彷彿とさせる。
 フォノトグラフとはレオン・スコットの発明した世界初の蓄音機であるが、記録することは可能だが再生することは不可能という致命的欠陥があった。その後、エジソンの円筒式蓄音機、ベルリナーの円盤式蓄音機が発明され今日のレコードへと至る。フォノトグラフに記録された音源の内容は長い間不明とされてきたが、2008年にフランスの研究チームによりコンピューター解析され、ようやくフランス民謡「月の光に(Au Claire de la Lune)」であったことが判明した。
 レオン・スコットが地震計のような仕組みで音波をグラフィカルに記録したのに対し、本作品はレーダーチャート状の歯車を並べ動かしキネティックに記録されている。
 【白】の音源はアルファベットを音名に対応付け、特定の文字列を旋律に置き換えるという手法を用い作曲されているが、【黒】も同じアルゴリズムが転用されている。このアルゴリズムは可逆的であり、理論上データから音のピッチを割り出すことができる。自身が幼い頃に工作や科学実験に夢中になったように、そういった子供に向けたメッセージであると同時に、【黒】は幼き自分に宛てたメッセージでもあるのだ。

制作風景

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