ブーバ・キキの庭
ユーザが意味のない言葉を入力すると、その響きに対応する抽象図形がAIによって生成される。
AIにおける記号接地の問題を出発点として、言葉と形の関係を体験的に探るインスタレーションを制作した。



下記が生成されたブーバ・キキ的図形の例。


アイデアについて
以下は企画プロセスである。
最初の実験では、手で描いた抽象図形をChatGPTに読み込ませ、それぞれの形状の印象から「ブーバ」「キキ」のような無意味語を生成させた。するとAIが付けた名前には、形状の印象を反映しているように感じられる響きが現れた。そこには単なる分類やラベル付けとは異なる対応関係が見えていた。
この結果から、AIがある種の記号接地的な振る舞いを示している可能性を感じた。同時に、もし形から名前を導けるなら、その逆に名前から形を導くこともできるのではないかと考えた。本作品はその仮説を体験として構成したものである。


実装について
実装では、初期実験で得られた図形と言葉の対応関係を追加データとしてGPTに与え、ユーザが入力したテキストから図形生成用のプロンプトを出力するシステムを構築した。生成されたプロンプトをもとにStableDiffusionで画像を生成している。
また出力される図形の視覚的な一貫性を保つため、初期実験で描いた手描き図形を用いてStableDiffusionのファインチューニング(LoRA)を行った。これにより生成される図形はばらばらのスタイルではなく、統一感を持つようになった。
体験設計について
最終的に生成された図形は生き物のように振る舞うよう設計され、円卓状の筐体にプロジェクションされた。図形はゆっくりと移動しながら互いに関係し、言葉から生まれた存在が場に定着していく様子を示している。
動きにはストップモーション風の質感を与え、人工的でありながらどこか有機的な印象を持たせた。概念的なテーマを持ちながらも直感的に理解できる構成とし、子供を含め幅広い来場者が自然に関われる体験となることを意図した。
具体的なプロトタイプは「制作風景」という箇所で紹介しています。
またプリント倶楽部のように生成物はシールとしてその場で印刷し、来場者が受け取れるようになっている。
Open Studio #1|AIと映像の実験室
2024年7月18日~20日にR&Dの展示会「AIと映像の実験室」を開催。
制作風景
ブレスト中のスケッチなど


動きの参考に作ったストップモーション
TouchDesignerでのストップモーション風のプロトタイプ。Cache TOPを使用して、このレンダリング部分のみのFPSを擬似的に下げることで表現している。
参考

